空気線図の見方と結露のメカニズム。
乾球温度計と湿球温度計。
乾球温度計は、一般的に温度を測るために使用されています。単位は30°Cの時は30°CDBと表示します。 湿球温度計は、乾球温度計のアルコールや水銀の入っている球部に湿布が巻いてあります。 単位は30°Cの時は30°CWBと表示します。乾球温度と湿球温度の見方は、 乾球温度と湿球温度の差で室内の相対湿度を知ることが出来ます。 室内が乾燥している場合には、まだまだ水蒸気を含むことが出来ますから、 湿った布に含まれる水蒸気はどんどん蒸発し、蒸発するために必要な熱を まわりから奪うため湿った布の温度は下がります。 また逆に、湿球温度計が乾球温度計と同じ場合は、空気の中の水分が飽和状態になっていることを示します。 したがって、乾球温度と湿球温度の差が大きければ大きいほど相対湿度は低く、 小さければ小さいほど相対湿度は高いと言うことになります。 予め換算表を用意しておけば、温度差から室内の相対湿度を知ることが出来ます。
湿り空気線図とはどんなもの?
空気線図または、湿度線図ともいいます。先に説明した乾球温度、湿球温度を元にして、 絶対湿度、相対湿度、露点温度、エンタルピなどを記入し、例えば、温度差など、 いずれか2つの値を定めることで他の状態値を簡易的に全て求めることが出来る線図です。
湿り空気線図の構成とその見方
湿り空気の状態すなわち温度と湿度、エンタルピ、比容積等の関係を線図にしたのが湿り空気線図です。 図は大気圧における i−x線図で、温度を横軸に、エンタルピ(i)を斜軸に、絶対湿度(x)を縦軸にとってあり、 湿り空気の状態値のうち2つが定まると、他の状態値がすべて線図上で求まります。 なお、湿り空気線図の構成とその見方は次の通りです。
乾球温度(t°C)
普通の棒状寒暖計の球状感熱部が乾いた状態で、測定される温度を乾球温度といい、t°Cで表します。 横軸に等間隔で目盛り、温度一定の縦の線は上向きにやや開いています。
湿球温度(t'°C)
球状感熱部を水で湿らせた布でおおった温度計で測定される温度を湿球温度といい、t'°Cで表します。 湿球温度の一定の線はエンタルピ一定の線とはほぼ一致します。 したがって、飽和線と乾球温度一定の線との交点を湿球温度とみなします。
露点温度(t''°C)
湿り空気の水蒸気の分圧を飽和蒸気圧とする温度のことで、t''°Cで表します。
相対湿度(Φ%)
空気が含むことのできる水分量が限界に達した場合を100%とし、全然含まない場合を0%として、 含まれている水分量を百分率で表現したものが相対湿度です。 単位はΦ%で表します。相対湿度一定の線は右上がりの曲線で示されています。
エンタルピ(kcal/kg(DA))
ある状熊における湿り空気の保有する全エネルギーを熱量単位で表したものがエンタルピです。 単位はkcal/kg(DA)で表します。左の斜軸の等間隔で目盛り、斜右下がりの平行線がエンタルピー定の線です。
なお、0点は乾球温度0°Cで絶対湿度0kg/kg(DA)の点を通り、右上方へ増加しています。
比容積線(υm³/kg(DA))
乾き空気1kgに対し水蒸気 x kgを含んだ空気の体積をυm³とすると、その空気の比容積はυ/(1+x) [m³/kg(DA)]で求まります。比容積線は、右下がりの平行線で示されています。