体感温度との関係
体感温度とは、まわりの温度が体温よりも低ければ、人体と空気の間に温度の差が生じるので、 対流による熱の発散が行われます。空気温度が低いときには、まわりの壁や床の表面温度も低くなるので、 輻射による熱の発散も行われ、実際温度よりも低温に感じます。まわりの空気の温度が体温に近くなると、 人体との温度差が小さくなり対流や輻射による熱の発散が十分に行われなくなり、 今度は汗などの発汗による潜熱の発散で体温調整を行います。湿度が高いと発汗による蒸発が十分に行われなくなり、 不快な気持ちになります。その他冬に、周囲が寒くても焚き火をすると直接火の暖かさが感じられるのは、 輻射熱が空気の冷たさに関係なく光のように移動してくるからです(太陽熱の暖かさ、あれは顕熱です)。 この様に体感温度は、周囲の壁などの輻射や湿度環境によって大きく変わります。 こういった潜熱と顕熱で感じられる体感温度は不快指数で表現することが出来ます。
不快指数の求め方。
不快指数 =(乾球温度+湿球温度)× 0.72 + 40.6
※不快指数には、気流の要素が含まれないのでアバウトな数値です。適合度は、70〜90の間でそれ以上は使用できません。
気流の理想的な分布。
気流がなければ、発汗によって体の表面で飽和状態になっている水蒸気が層となって 人体を取り囲みいくら相対湿度が低くても、不快感を感じてしまいます。 室内には、適度な気流を作り、人体から発生する熱や水蒸気を適度に動かしてやる必要があります。 気流分布で大切なことは、人が風力を感じない程度の気流が、建物全体及び部屋の中のすみずみまで いきわたる様にする事です。人が感じる速さの気流が直接人に当たると、寒さや不快感を感じる原因となります。 空調機の空気吹き出し口、吸い込み口の位置や部屋の開口部の位置などもあり、 理想的な気流分布を実現するのは大変難しい作業です。
室内の気流分布。
良好な気流分布は、a・b・c・dです。