自立循環型住宅を目指して (有)浜口工務店
A自然エネルギー活用技術
1.自然風の利用⇒冷房 効果:10〜30%削減
夏期夜間や中間期に外気を取り入れ、室内を涼しく保ちます。
宇和島市の場合、平均的に西・西北西の風が年中吹く。夏に関してはほぼ西からの風がメインとなる。
地形による風の流れ
現場にて風向きを確認すると、夏場は左図のように海からの風が山に当たり谷間を走る為、北西の風に変わっていました。
屋内の風の流れ:1Fの場合(日中)
オレンジ色の数字枠を選択すると詳細をご覧いただけます。
日中は海風となる為、北西方向から南東に風が抜けるイメージで。
屋内の風の流れ:1Fの場合(夜間)
間取図の芝生部分を選択すると詳細をご覧いただけます。
風の進入口に樹木や芝生など緑を配置することにより、涼気を室内に入れることができます。
屋内の風の流れ:2Fの場合
オレンジ色の数字枠を選択すると詳細をご覧いただけます。
平面上ではわかりにくいが、上手に風が流れるイメージで。
屋内の風の流れ:屋根裏の場合
図の円形を選択すると詳細をご覧いただけます。
温度差だけでは廃熱の効果が得にくいので風を東西に抜けるよう工夫しました。
自然風の利用のポイント
1.卓越風を直接取り入れる開口部を設置
2.風を呼び込める袖壁や出窓等を設置
3.屋根面を利用し天窓や頂側窓を設置
4.室内外温度差を活かし排気窓を設置
5.室内の通風経路の開放性確保
上記の手法を取り入れることにより
冷房エネルギーを10%〜30%削減できる。
浜口様邸の場合は手法をすべて取り入れているので30%削減となる。
2.昼光の利用⇒照明 効果:2〜10%削減
昼間の明るさを室内に取り入れ人工照明利用を減らします。
昼光利用のポイント
1昼光を直接取り入れ、室内の明るさを確保できる開口部を設置(採光)
・リビング・ダイニング+主寝室・子供部屋など各部屋に二面以上の開口部(採光可能)を設置する。 ⇒5%削減
・リビング・ダイニング+主寝室・子供部屋など各部屋に二面以上+非居室部分の一面に開口部(採光可能)を設置する。 ⇒10%削減
2室内の奥に光を導く吹抜け・欄間・反射可能な軒裏などを設置
・効果は期待大ですが数値としてはまだ研究中。
浜口様邸の場合は採光計画により10%削減ですが吹き抜け・欄間を太陽の高度を計算して設計している為、10%以上の削減効果が望める。
3.太陽光発電⇒発電 効果:3kW:29.3GJ 4kW:39.1GJ
日中に太陽光で発電を行い、消費する電力を自己生産します。
5.8kWの太陽光発電パネルを採用。
発電効率を良くする為に、屋根勾配にも配慮しています。
愛媛県は全国平均よりも発電効率に適した県です。
シミュレーションの結果、およそ6433kWh発電される。
6433kWh÷101.7kWh=63.25GJ 一次エネルギー削減となる。
4.日射熱の利用 ⇒暖房 効果 5〜40%削減
冬期に開口部から日射熱を取得し蓄熱して夜間に利用します。
日射熱利用のポイント
1取得した日射熱の損失を抑制する断熱性の高い開口部仕様を選択
クリア条件⇒ 開口部の熱貫流率を2.91(W/m2・K)以下に抑える
開口部を
樹脂サッシ+Low-E
を採用しているので
熱貫流率は2.33(W/m2・K)となるのでクリア
2集熱面になる南向きの開口部を増設
クリア条件⇒ 真南±30度の方位に面する開口部の面積が延床面積の20%以上をしめる。
南面の開口部面積が18.5m2、延床面積が235.06m2
18.5÷235.06≒0.08 8%程度なのでクリアならず。
3床・壁・天井などに蓄熱効果のある熱容量の大きい材料を使用
クリア条件⇒ 120(KJ/℃・m2)程度以上の熱容量の増加が見込まれる材料を蓄熱部位に用いること。
浜口様邸の場合、蓄熱要領として28207.2(kJ/℃・m2)必要となる。
床部分がすべて桧だとして6580(kJ/℃・m2)になる。
土間をとり、壁を土壁にまでもっていかないとなかなかクリアできない。
浜口様邸の場合は手法1のみ採用しているので、10%削減となる。
5.太陽熱給湯⇒給湯 効果 10〜30%削減
太陽熱を利用した給湯システムを導入します。
太陽熱給湯のポイント
1太陽熱で直接水を温め給湯する太陽熱温水器を採用。
効果⇒ 10%削減の見込み
浜口様邸の場合は採用されていません。
2給湯器を組み合わせ、湯音調節できる使い勝手の良い太陽熱給湯システムを採用。
効果⇒ 30%削減の見込み
浜口様邸の場合は採用されていません。