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工法の仕組み - 四国型エコ住宅とは何だろう?は、建物を外からすっぽり包み込む外張り断熱。

「工務店学校」四国では、工法によって参加工務店を選別しているわけではありません。どのような工法を選択していてもそれは、その地域にマッチした工法として、工務店が選択していると信じるからです。建て主の皆様は、お任せする工務店から工法をじっくりとお聞きして、納得してから建てて頂くべきでしょう。現在我が国で施工されている工法の一端を紹介しておきます。中には、四国には合わない工法も含まれていますが、どの様な考え方で工法が開発されているか、参考にして下さい。

なお、「工務店学校」四国では、「日本住宅性能表示基準、温熱環境・省エネルギー対策等級4」の型式認定(近日取得予定)工法「ソトバリ&ウインドシステム」をオープン工法として、参加工務店に使用して頂いております。

1.充填断熱工法

充填(じゅうてん)工法

最も一般的な断熱工法として、柱と柱の間に断熱材を施工する工法です。断熱材は主に、グラスウールやロックウールなど繊維系の断熱材で、防露対策に難点がありましたが、現在では防水袋入り耳付きタイプで防露対策がとられ、施工性も簡単になってきています。断熱材の隅部の施工が薄くなったりしますので、施工性には充分注意が必要です。現在では、施工さえしっかり行えば、従来よりも問題は、少なくなっています。

充填パネル工法

柱間にパネル化した断熱材を組み込んで、構造用面材と断熱施工が同時に完了するように工夫されています。工場でパネル化されるため施工性が高くなります。断熱材は、グラスウールやロックウールを固めたものや、プラスチック系断熱材のスチレンボードや硬質ウレタン・ウレタンボード、A種フェノールフォーム保温板1種などをパネル化して施工しているものもあります。フレームなしで現場でプラスチック系断熱材を柱間に組み込み施工する工法もあります。

現場発泡ウレタン吹付工法

工事現場に発泡ウレタン装置を持ち込んで合板を先張りした上から、硬質現場発泡ウレタンを均一の厚さに吹付けるものです。硬質ウレタンの他に、高発泡倍率の硬質ウレタンでも同じように吹付けて施工する工法があります。この工法の優れている点は、小屋裏から壁面まで一体化して断熱できることと、金物による熱橋(ヒートブリッジ)を防ぐことが出来ることです。床の断熱材はボード状の断熱材を施工する場合が多いようですが基礎の内側にも現場発泡させる工法もあります。断熱と同時に気密性能も高くなる工法です。

2.外張り断熱工法

外張り断熱工法

外壁面や基礎・屋根をウレタンやポリスチレンなどのプラスチック系断熱材でスッポリとおおう工法です。充填断熱工法との大きな違いは、充填断熱工法が桁上断熱(天井断熱)なのに対し、屋根断熱が主流になります。したがって、小屋裏も断熱域の中に入っていますから、有効な活用が出来ます。また基礎外周部も断熱され、基礎内部が室内側になります。基礎の断熱方法は、旧公庫基準ではV地域以南は、シロアリ対策のため基礎の外周部の暖熱工法は許されませんでしたが、現在では防蟻断熱材も登場し本来の基礎断熱が可能になりました。

外張り+充填付加断熱工法

構造体の外側にプラスチック系断熱材を施工し、構造体の内側に繊維系断熱材を付加断熱材として用いる工法です。外張り断熱工法と充填断熱工法の長所を取り入れた断熱工法で、外張り部分の断熱材が薄くて済みますから、外壁材の支持についての心配が少なくなり、内断熱の構造体の熱橋の問題も解決できます。内側に繊維系断熱材を施工する変わりに、現場発泡の硬質ウレタンを施工する工法もあります。この工法は、気密性能も格段に高くなります。

吹込み(ブローイング)工法

吹込み断熱工法は、構造材の柱間に防水シートを先張りし、その中に専用マシンによって繊維系断熱材を吹込む工法です。充填断熱工法では天井にセルローズファイバーをブローイングする場合が多く、比較的に一般的な工法になっています。さらに、壁面にも室内側に防水シートを先張りし、吹込み用断熱材を施工して吹込んで断熱する工法です。断熱改修などの場合も外壁や構造材をそのままにして、内装部分をはがして防水シートを先張りし、内部から断熱材を吹込むことで断熱改修が可能なので、施工例の多い工法です。

3.パッシブソーラーハウス

エアーサイクル工法

外断熱工法の応用工法で、基礎上部にダンパーを設け、基礎内部を冬は地熱の蓄熱層として利用する工法です。基礎内部にコラムベースを置いて夏冬の蓄熱を高め、夏はダンバーを開放して深夜の冷気を蓄熱させ、冬は逆にダンバーを閉じてダイレクトゲイン(日射熱)をコラムベースと床下蓄熱層に蓄熱させて自然エネルギーを効率よく取り入れようとする工法です。快適性の鍵は、効率よく空気が循環してくれるかどうかです。住宅が密集していなくて風通しの良い場所であれば、意外と効果的かと思われます。

二重通気層工法

エアーサイクル工法に、かなりに似通った工法として、二重通気層工法があります。床と天井部分にダンパーを設置し、夏は開放、冬は閉鎖するのも同じです。異なる部分は概念と使用する断熱材の加工方法が異なります。後は基礎内部の地熱を応用する工法も全く同じといっていいかもしれません。冬は、気密性を高めて暖かさを維持し、夏は開放型にし、自然の通気を導入することで爽やかさを実現します。つまり気候に合わせて暑ければ開ける、寒ければ閉めるという、四季に合わせて衣替えのできる家を目指しています。

パッシブソーラーと上昇気流

パッシブソーラーの仕組みは、年間を通じて変化しない地熱を有効に活用し、常に上昇気流を応用することで、快適な環境を造り出します。夏季は、上下温度差と内外温度差を利用して小屋裏のダンパーから暖かい空気を排出させ、外気と基礎の冷気を室内に回します。冬季は床のダンパーを閉じて地熱の上昇気流を応用して室内を暖めます。基礎内部に熱源を入れると、更に効果的な上昇気流が起き輻射熱による暖房も可能です。基礎に暖房配線する電気式基礎蓄熱暖房も効果的です。

4.アクティブソーラーハウス

アクティブソーラーハウス

住宅の窓から入る、太陽熱や太陽光を利用することをパッシブソーラーといいます。アクティブソーラーハウスとはモーターなどを活用していて、積極的に太陽熱や太陽光を活用する住宅です。地面1m2/h当たりには1kWの太陽光があたり、1時間の日射量は地球で使うエネルギーの1年分に匹敵します。このクリーンで無尽蔵なエネルギーを活用することで現在深刻な問題となっているCO2の削減も可能になります。アアクティブソーラーハウスを実現させるためには、断熱・気密性能に高度な施工技術が必要になります。

給湯と暖房を実現するシステム

ソーラーシステムは、空気を取り入れて集熱盤で暖め床下から吹き出させる方式が一般的です。外気を取り入れるために、冬季は外気温に左右され、安定した熱量を得ることはなかなか難しくなります。右の図は、給湯システムですが外気を取り入れて集熱盤で暖めた空気により水を温めるので、冬期間の給湯は難しく夏の一時期に限られます。集熱ファンが天井に設置されているために空気が暖まらない場合でも室内に冷気を供給してしまうこともあります。システム的にはシンプルで、夏の給湯は問題が少ないようです。

先進的なアクティブソーラー

気密性能・断熱性能を最大限に高め、給湯や集熱は専用の2種類のコレクターを使用して直接的に太陽光から取り入れるシステムです。外気ではなく、室内空気を暖める方式のために確実に集熱・給湯が可能です。さらに集熱空気を蓄熱層となる土間コンクリートの中に集熱空気配送パイプを通し、エアコレクター用集熱ファンで強制的に配送します。

従って安定した熱量を室内に供給することが出来ます。夏は70℃、冬季も40℃の湯が得られるこの工法は、アクティブソーラーハウスとして最も優れた部類に入るではないかと考えられます。

5.ハイブリッド断熱システム

ハイブリッド断熱システム

ハイブリッド断熱工法は、外断熱と内断熱の利点を組み合わせて開発された工法です。ハイブリッドには、内外の断熱材を同じ素材にする場合と素材を変える場合もあります。現場発泡のハイブリッドの場合は、外断熱側を板状の断熱材にし、室内側に硬質や軟質のウレタンを吹付けて施工します。この場合、一層のみの吹き付けでは、外皮が釘などで破れた場合、水蒸気が侵入する危険があるので、出来るだけ多層構造にして施工します。柱間の空隙部分を利用するために断熱材の厚さを自由に調整できます。

無暖房住宅の可能性

スウェーデンから愛知花博に招かれた、ハンス・エイク氏の無暖房住宅セミナーは、センセーショナルな話題を提供し、全国各地で実験住宅が建築され、既に一部は商品化されています。無暖房住宅にするためには、熱損失係数(Q値)=0.7以下が必要とされ、それに対応する部材も開発されています。開口部性能もトリプルガラスや真空ガラスと樹脂サッシの組み合わせ等、格段に高性能になってきました。右の図は、Q値=0.7以下を実現するために必要な部材の厚さ例です。ハイブリッドは素材の組合せでQ値が異なります。

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