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建築のプロも目から鱗!? 驚くべき受講内容!! - プロも驚嘆する、充実した講義内容の一部をご紹介。

「住」の断熱化のご相談を!

住宅の断熱・気密をしっかりやりましょう!と言われても、その内太陽エネルギーで我家の電気を賄えば、省エネはいいんじゃないの?第一、温暖な四国に断熱など必要性がほんとうにあるの?こんなふうに考えているあなた!家のあちこちに暖房機やエアコンがあるのでは?耐震化はしたが結露で土台や壁が腐ったりは?自分の家のCO2発生を計算したことはありますか?日本の平均は3トン〜4トン/年ですよ!なに9トンも!この不届き者!将来、我家のゼロエネを考えているあなた、年取ってからの自分の生活と健康を守るためにも「住」の断熱化のご相談を!

街をまもる工務店さんや設計士さんは街づくりには欠かせぬ存在です。「工務店学校」は断熱や省エネを通して正確な知識をを学び、街のエコをまじめに勉強していきます。

教室の中を覗いてみましょう!

多彩な講師陣の中で、特に評判のよかった授業をご紹介します。 平成16年ですから、それまでに色々と勉強もし「工務店学校」で少し自信みたいなものがつき始めた頃です。「夏のすまい快適術」と銘打って9月の暑い盛りにセミナーを開催しました。講師をお願いしたのは甲斐徹郎さんです。 

いきなり

「皆さんは本日工務店でもなく、設計士でもありません!唯の一般の人になってください!」

やおら「放射温度計」を取り出し、会場の到る所を計測し始めました。

「この蛍光灯は何℃あると思いますか?」

パソコン、プロテクター、壁や天井、机やイスにいたるまで、誰も答えられません。そこで講師の前におかれた木材とアルミの角材、それに陶器のコップに視線を向け、聴講生の一人に

「前に出て、この三つの素材に触ってみてください!一番冷たく感じるのはどの素材ですか?」

「アルミです!」と聴講生。

「間違いないですか?」と甲斐先生。

「では順番に温度計をお貸ししますから、数字を読み取ってください!」

「あれ?!!三つとも同じ温度です。」

「27℃です!確かに触った感じはそれぞれ違っていたのに?」

そこで甲斐先生

「この部屋は空調で27℃に設定されているので、どの物体も同じ温度ですね!」

「もうお分かりでしょう?アルミは体温を奪うスピードが速いので、冷たさをより強く感じたのです。木材はこの点ゆっくりと熱を奪うのですね!木の家が温かいのはこの理屈です。陶器などは暖めておけば、冬場逆に熱を貰うこともできますよ。これらの熱を輻射熱と言ったり、反対の場合を冷輻射といったりします。」

「次にみなさん前へ出てきてください。ハロゲンランプの前にすだれが吊るされています。ハロゲンランプの温度を測る60℃ありますね!みなさん一列になって、すだれの前を歩いてください!」

「ランプの前は歩けませんが、すだれの前は歩けましたね!ランプの反対側のすだれの温度は?はい36℃になっています。」

「20数度もすだれで温度が下がるのです。」

そこで甲斐先生が妙な物を持ち出しました。キリフキです。そしてキリフキをすだれに噴きかけたのです。

「さあ!みなさんもう一度すだれの前を歩いて!」

これはびっくり、涼しく感じるのです。温度を測ると25℃を表示しています。

「ご存知の通り水が蒸発する時の気化熱の影響なのですが、すだれに常に水をかけるわけにはいきません。常に水を供給している植物ならどうでしょう?これが緑のカーテンの原理なのです。」

次は容積の似かよった二つの器が出てまいりました。

「木製の器と石製の器です。器の温度は…それぞれ20℃ですね!これに0℃の氷水をたっぷり入れます。そして温度を測りますと石の器は6℃、木の器は2℃ですね!そこで十分冷えた所で水をすてて、ぬるま湯(33℃)を入れます。・・・・しばらく置いてはかりますと石の器は18℃、木の器は25℃です。冷たい水をいれても石の器は温度の下がり方が遅く、熱いお湯でも12℃上がったが、木の器は23℃も上がったことになります。つまりどう言う事?」

こんな調子で専門家であるはずの工務店の人や設計事務所の人たちの前で、ワークショップを演じるのです。地域に根ざす専門家集団にとっては、これぞ正に達人技だったのではないのでしょうか。だれでも熱いお茶をさますのに息を吹きかけます。家の絵を描いて、それを手のひらに乗せ息を吹きかける動作から、気密性や通風を説明した人は今まで見たこともありませんでした。座布団を何枚もかぶせるより、布団一枚のほうが暖かいのは皆しっています。

上記の講義は難しい言葉など必要ない、やさしく愛情も持った表現ができることを意味しました。自然を説明するのに、自然のいっぱい入る昔ながらの家と断熱・気密のしっかりした家の「どちらが自然?」と問答することがなんだかあほらしくなったセミナーでした。

27℃に空調された会議室で、輻射熱の快適さや暑さや寒さ退治の方法がこんなにも身近にあり、気が付かないことに驚き、目から鱗の新鮮な気分にさせられました。

事務局長 森田準三

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